新NISAの口座を開設し、毎月の積立額まで決めると、次に迷いやすいのが
「どの商品を選べばいいのか」
ということです。
証券会社の画面には、たくさんの投資信託が並んでいます。
ランキング上位の商品。
最近よく見かける商品。
SNSでおすすめされている商品。
選択肢が多いほど、
「もっと良い商品があるのでは」
と迷ってしまうこともあります。
でも、投資信託の商品選びで大切なのは、
どの商品が一番上がりそうかを当てることではありません。
その商品がどこへ投資しているのか。
どのくらい分散されているのか。
どのような値動きが考えられるのか。
どのくらいのコストがかかるのか。
こうした基本を知り、
自分が納得して持ち続けられそうな商品を選ぶこと
が大切です。
このページでは、投資信託の商品選びに必要な考え方を、今の疑問に合わせて順番に整理します。
このページの使い方
すべての記事を最初から読む必要はありません。
「投資信託って何?」
「コストはどこまで見る?」
「オルカンとS&P500、どちらがいい?」
「何本持てばいい?」
「何本あれば分散になる?」
今の自分に近い疑問から、一つずつ確認してみてください。
商品を選ぶ前に確認しておきたいこと
商品を比較する前に、まず確認したいのは、
何のために、いつ頃使うお金を運用するのか
ということです。
投資の目的や期間が曖昧なままだと、値下がりしたときや、ほかの商品が気になったときに判断が揺れやすくなります。
また、生活費や近いうちに使う予定のお金まで投資に回してしまうと、相場が下がったときに積立を続けにくくなることがあります。
商品選びに進む前に、次の3つが整理できているか確認してみましょう。
- 投資する目的と期間
- 生活防衛資金や近いうちに使うお金
- 家計に無理のない毎月の積立額
まだ整理できていない場合は、先にこちらの記事から確認できます。
STEP1:投資信託の仕組みを知る
商品を選ぶ前に、まず知っておきたいのが
投資信託とは何か
です。
投資信託は、会社名や株式の名前ではありません。
多くの投資家から集めたお金をまとめ、運用の専門家が株式や債券などへ投資する仕組みです。
一つの投資信託を購入することで、少額から多くの企業や地域へ分散投資できる商品もあります。
「投資信託と株は何が違うの?」
「自分で企業を選ばなくてもいいの?」
という段階の方は、まずこちらから確認してみてください。
STEP2:インデックス投資の考え方を知る
投資信託について調べていると、
「インデックスファンド」
「インデックス投資」
という言葉をよく見かけます。
インデックス投資は、特定の企業が大きく成長することを予想して選ぶのではなく、株式市場全体の値動きを表す指数に連動する成果を目指す考え方です。
たとえば、全世界の株式市場や米国の主要企業へ広く投資する商品があります。
市場の上がる時期や下がる時期を正確に予測することは簡単ではありません。
そのため、広く分散し、長い期間をかけて市場全体の成長を取りにいくという考え方は、積立投資とも相性があります。
一方で、インデックス投資であっても元本が保証されるわけではありません。
株式市場が下がれば、投資信託の評価額も下がります。
STEP3:どこへ投資する商品なのか確認する
投資信託の商品名を見るときは、名前の印象だけでなく、
その商品がどこへ投資しているのか
を確認します。
たとえば、株式へ投資する商品でも、投資先はさまざまです。
- 全世界の株式
- 米国の株式
- 日本の株式
- 先進国の株式
- 新興国の株式
- 特定の業種やテーマに関連する株式
投資先が一つの国や業種に偏るほど、その地域や企業群の影響を受けやすくなります。
一方で、広い地域や多くの企業へ投資する商品であれば、一部の企業や国の不調による影響を分散しやすくなります。
ただし、広く分散されていれば値下がりしないわけではありません。
世界的に株式市場が下がれば、全世界株式も値下がりします。
初心者向けのポートフォリオ例を確認したい方はこちらです。
STEP4:コストを確認する
投資信託を保有している間は、信託報酬と呼ばれるコストがかかります。
信託報酬は、保有している資産から日々差し引かれるため、長期で保有する場合は確認しておきたい項目です。
基本的には、同じような指数に連動し、同じような運用をする商品であれば、コストが低い商品ほど運用成果に残りやすくなります。
ただし、
「少しでも安い商品を探さなければ」
と考えすぎると、次々と新しい商品へ乗り換えたくなることもあります。
コストは大切ですが、
低コストの商品を選んだあと、頻繁に変更せず続けること
も同じくらい大切です。
STEP5:オルカンとS&P500の違いを知る
新NISAの商品選びで、特に比較されやすいのが全世界株式とS&P500です。
全世界株式は、日本を含む世界各国の株式へ広く投資します。
S&P500は、米国を代表する約500社で構成される指数へ連動する成果を目指します。
どちらにも米国企業が多く含まれていますが、投資する地域の範囲が異なります。
どちらが将来必ず上がるかは分かりません。
そのため、直近の成績だけで決めるのではなく、
どの範囲へ投資したいか、自分が納得して持ち続けられるか
を考えることが大切です。
STEP6:投資信託の本数と分散を考える
商品を調べていると、
「一つだけでは不安だから、複数の商品を持った方がよいのでは」
「何本くらい持てば、きちんと分散になるのだろう」
と考えることがあります。
ただし、投資信託の本数を増やせば、必ず分散が広がるわけではありません。
例えば、全世界株式とS&P500を両方持つ場合、どちらにも米国の大型企業が含まれています。
商品は2本になりますが、投資先の一部は重複します。
反対に、全世界株式のように、一つの商品だけでも多くの国や企業へ投資できる投資信託があります。
そのため、投資信託を選ぶときは、本数だけではなく、
- その商品がどこへ投資しているか
- 今持っている商品と中身が重なっていないか
- 追加する商品にどのような役割があるか
を確認することが大切です。
ここでは、疑問に合わせて2つの記事に分けて整理しています。
最初から複数の商品を組み合わせなければいけないわけではありません。
まずは、自分が選んだ商品の中身を理解し、必要性を感じたときに追加を考える方法でもよいと思います。
STEP7:ETFと投資信託の違いを確認する
同じ指数に連動する商品でも、投資信託とETFでは買い方や管理方法が異なります。
ETFは、株式と同じように市場が開いている時間に価格を見ながら売買できます。
一方、一般的な投資信託は、毎月一定額を自動で購入する積立設定がしやすく、少額から始めやすい特徴があります。
どちらが優れているというより、
自分がどのくらい管理に時間を使いたいか
によって向き不向きが変わります。
積立を自動化し、なるべく判断や手間を減らしたい場合は、投資信託の方が続けやすいこともあります。
STEP8:値下がりしたときも持ち続けられるか考える
商品選びでは、期待できるリターンだけでなく、
値下がりしたときに自分がどう感じるか
も考えておく必要があります。
株式へ投資する商品は、長期的な成長を期待できる一方で、大きく値下がりする時期があります。
全世界株式やS&P500であっても、元本が保証されているわけではありません。
「長期投資だから大丈夫」
と考えるだけでなく、評価額が下がったときにも生活へ影響が出ない金額で積み立てることが大切です。
株式だけの投資が不安な方は、こちらで考え方を整理できます。
商品選びで迷ったときに、やらなくていいこと
商品選びで迷うと、さらに多くの商品を調べたくなることがあります。
私も以前は、さまざまな商品や投資方法を比較し、調べるほど決められなくなった時期がありました。
ですが、情報を増やせば、必ず迷いが減るわけではありません。
商品選びで迷ったときは、次のようなことを急いでしなくても大丈夫です。
- ランキング上位の商品をすべて比較する
- 最近最も上がった商品へ乗り換える
- 不安だからという理由だけで本数を増やす
- 将来一番上がる国や業種を予想する
- 少しのコスト差を理由に何度も商品を変更する
迷ったときほど、商品を増やすのではなく、
自分が最初に決めた目的や判断軸へ戻る
方が整理しやすくなります。
商品選びでやめたことを、実体験を交えて整理した記事はこちらです。
今の疑問から読む記事を選ぶ
まとめ|商品名より、選ぶための判断軸を持つ
投資信託の商品選びでは、将来一番上がる商品を見つけることに目が向きやすくなります。
でも、未来の相場を正確に予想することはできません。
そのため、商品を選ぶときは、次の点を確認することが大切です。
- どこへ投資する商品なのか
- どのくらい分散されているか
- どのような値動きが考えられるか
- コストは高すぎないか
- 値下がりしたときも持ち続けられそうか
すべての条件を完璧に満たす商品を探し続ける必要はありません。
基本を理解し、自分が納得できる商品を選べたら、商品探しをいったん終えることも大切です。
商品選びが終わったら、新NISAを始めるための最後の工程へ進みましょう。
今日の一歩
候補にしている投資信託がある場合は、まず次の3点だけ確認してみましょう。
- どこへ投資しているか
- どのくらい分散されているか
- 信託報酬はいくらか
一度にすべてを比較するのではなく、判断項目を絞ると整理しやすくなります。
※本ページは、筆者個人の経験や考え方をもとに、投資信託の商品選びに必要な考え方を初心者向けに整理したものです。
特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。
投資には価格変動リスクがあり、元本割れの可能性があります。
商品の内容や手数料などは変更される場合があるため、購入前に交付目論見書や金融機関の公式情報も確認してください。
最終的な投資判断は、ご自身の目的や家計状況を踏まえて行ってください。