信託報酬はどこまで気にする?安い投資信託へ乗り換える判断基準

投資信託を選ぶとき、
信託報酬の低さは気になるポイントの一つです。

特に迷いやすいのが、
すでに積立を始めたあとで、
今持っている商品より信託報酬の低い商品が出てきたときではないでしょうか。

「0.01%でも安い方がいい?」
「今の商品から乗り換えた方がいい?」
「長期投資なら、わずかな差も大きくなる?」

私自身も積立を続けながら、
「このままでいいのかな」
「もっとコストを下げた方がいいのでは?」
と考えたことがあります。

今は、
信託報酬は低い方がいい。ただし、少し安い商品が出るたびに乗り換える必要があるとは限らない
と考えています。

この記事では、
信託報酬の差を実際の金額に置き換えながら、
どこまで気にすればいいのかを考えていきます。

そもそも信託報酬とは?

信託報酬は、
投資信託を保有している間にかかる運用・管理のための費用です。

「毎年○円を口座から支払う」
というものではありません。

投資信託の信託財産から差し引かれ、
その費用を反映した純資産総額をもとに基準価額が計算されます。

そのため、
投資家が別に振り込んだり、口座から手数料として直接支払ったりするものではありません。

ただし、保有している間は継続的に負担する費用なので、
長期投資では確認しておきたいポイントです。

信託報酬が気になるのは自然だと思う

私自身、個別株を中心に投資していた頃は、
「持っているだけで毎年コストがかかる」
という感覚があまりありませんでした。

そのため投資信託を使うようになったとき、
信託報酬はかなり気になりました。

長く持つものだから、
できるだけコストを下げたい。

そう考えるのは自然だと思います。

そして、
同じような投資対象・運用内容であれば、コストが低いことは投資家にとって重要な比較材料です。

ただ、ここで私が迷ったのが、
「どこまでの差を気にするのか」でした。

信託報酬は「%」だけでなく金額に置き換えて考える

たとえば、
次の2つの商品があったとします。

  • 信託報酬 年0.10%
  • 信託報酬 年0.06%

差は年0.04ポイントです。

「0.04%も違う」と感じる人もいれば、
「ほとんど変わらない」と感じる人もいると思います。

そこで、実際の金額に置き換えてみます。

100万円を20年間運用すると、どれくらい違う?

100万円を20年間運用し、
コスト控除前の運用利回りを年5%と仮定して、
信託報酬だけが異なる場合を単純化して計算してみます。

信託報酬 20年後の概算 差
年0.10% 約260.3万円 約2.0万円
年0.06% 約262.3万円

この条件では、
20年後の差は約2万円です。

もちろん2万円は、
「無視していい金額」と決めつけることはできません。

一方で、
0.04ポイント安い商品が出たからといって、
それだけを理由にすぐ乗り換えるかどうかは別の話だと思います。

投資対象や運用方法が同じなのか。
信託報酬以外のコストはどうなのか。
これまでの運用状況はどうなのか。
乗り換えることで管理が複雑にならないか。

こうした点も一緒に確認したいところです。

※計算は説明を分かりやすくするため、コスト控除前の運用利回りを年5%で一定とし、年率の信託報酬を単純に差し引いて複利計算した概算です。実際の投資信託では日々の値動きや費用の計上方法などが異なるため、実際の運用結果を示すものではありません。

差が大きくなると、結果への影響も大きくなる

では、
信託報酬の差を大きくしてみます。

  • 信託報酬 年1.0%
  • 信託報酬 年0.6%

差は年0.4ポイントです。

先ほどと同じ条件で計算すると、
次のようになります。

信託報酬 20年後の概算 差
年1.0% 約219.1万円 約17.5万円
年0.6% 約236.6万円

先ほどの約2万円に対して、
こちらは約17.5万円の差になりました。

同じ100万円・20年間でも、
コスト差が広がれば、長期的な影響も大きくなります。

「0.0x%なら気にしなくていい」とは決めない

以前の私は、
「このくらいの差なら小さい」
と数字だけで考えることもありました。

ただ、今は
「何%なら気にしなくていい」という境界線を決めなくてもいい
と思っています。

なぜなら、
同じ0.04ポイントの差でも、
運用している金額と期間によって影響が変わるからです。

100万円を運用する場合と、
資産が1,000万円、2,000万円と増えてからでは、
同じ信託報酬差でも金額は変わります。

運用期間が5年なのか、
20年、30年なのかでも違います。

だから私は、


「0.0x%だから小さい」と決めるのではなく、
「自分の運用額と期間なら、どれくらいの差になるのか」

と考える方が分かりやすいと思っています。

もっと安い商品が出たら、すぐ乗り換える?

低コストの商品を選んで積立を始めても、
あとからさらに信託報酬の低い商品が出てくることがあります。

そんなとき、
私は信託報酬だけを見てすぐ乗り換えることはしていません。

まず確認したいのは、
次のようなことです。

  1. 投資対象は同じか
  2. 信託報酬の差を金額にするとどれくらいか
  3. 信託報酬以外のコストはどうか
  4. 実際の運用が始まってから確認できる情報はあるか
  5. 乗り換えることで管理が複雑にならないか

特に4つ目は重要だと思っています。

目論見書に書かれている信託報酬だけでは、
実際に運用する中で発生したすべての費用までは分かりません。

新しい商品であれば、
まだ運用報告書などで確認できない情報もあります。

「信託報酬が少し安い」という理由だけで急いで動かず、
実際の運用が始まってから確認する。

私は、そういう考え方もあっていいと思っています。

信託報酬以外のコストもある

ここまで信託報酬を比較してきましたが、
投資信託のコストは信託報酬だけではありません。

運用する中では、
売買委託手数料や監査に関する費用など、
商品によってほかの費用が発生することがあります。

そのため、
目論見書に書かれている信託報酬が一番低ければ、
実際のコストも必ず一番低い

とは限りません。

では、
実際に運用した結果、どんな費用がかかったのかは、
どこを見れば分かるのでしょうか。

これは次の記事で、
運用報告書を見ながら詳しく整理します。

私がオルカンを積み立てている理由

現在、私が新NISAで中心に積み立てているのは、
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)です。

この商品を選んでいるのは、
「いつでも一番信託報酬が安い商品だから」
という理由ではありません。

全世界の株式に広く投資できる。
コストも自分としては十分低いと感じる。
積立設定をして管理しやすい。
そして、長く持つ前提で迷いにくい。

そうした点をまとめて考えています。

今後、
さらに信託報酬の低い商品が出てくることもあると思います。

それでも私は、
0.01%でも安い商品を探し続けて、
そのたびに乗り換えるつもりはありません。

コストは大切にする。でも、コストだけで商品を選ばない。

今は、このくらいの距離感が自分には合っています。

まとめ|信託報酬は「安さ」より差を金額にして考える

信託報酬は、
投資信託を長く保有するほど気になるコストです。

同じ条件なら、
コストが低いことは大切な比較材料になります。

ただし、
「0.01%でも安ければ必ず乗り換える」
と考える必要はないと思っています。

大切なのは、

  • 信託報酬の差はどれくらいか
  • 自分の運用額・期間では何円くらいの違いになるか
  • 投資対象や運用方法は同じか
  • 信託報酬以外の費用はどうか
  • 自分が管理しやすいか

まで含めて考えることです。


信託報酬は低い方がいい。
でも、少し安い商品が出るたびに迷い続けなくてもいい。

私はそう考えています。

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次に気になるのが
「表示されている信託報酬だけ見ればいいの?」
という疑問です。

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実際の運用中に信託報酬以外の費用が発生することもあります。

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※記事中の計算は信託報酬による違いを分かりやすくするための単純化した試算です。実際の投資信託の運用成果や将来のリターンを示すものではありません。

※本記事は筆者個人の経験や考え方をもとにした内容であり、特定の金融商品の購入・売却・乗り換えを推奨するものではありません。投資には価格変動リスクがあり、元本割れの可能性があります。

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