🌳 STEP3「何を買えばいい?」の記事です
投資信託の商品選びで迷っている方へ、読む順番をまとめています。
投資信託の選び方を順番に確認する
投資信託を選んでいると、意外と悩むのが本数です。
「1本だけで本当に大丈夫?」
「2本、3本と持った方が分散になるのでは?」
私も以前は、同じように考えていました。
一つの商品だけに決めるより、いくつかの商品を組み合わせた方が、しっかり考えて投資しているように見えたからです。
でも、個別株や高配当株、米国ETF、投資信託などを経験してきて、今は少し考え方が変わりました。
先に結論を書くと、投資信託は多く持てばよいわけではありません。
広い範囲に分散されたインデックス型の投資信託であれば、初心者はまず1本から考える方法もあります。
大切なのは、何本持っているかではなく、
「その投資信託の中に、何が入っているか」
を見ることです。

この記事の結論
- 投資信託の本数に、全員共通の正解はない
- 広く分散された商品なら、1本でも多くの企業へ投資できる
- 複数持っても、中身が重なっていれば分散になるとは限らない
- 商品を増やすときは、追加する目的を確認する
- 初心者は、自分で中身を理解できる本数にしておくと管理しやすい
投資信託は何本持つべき?初心者は1本でもいい
投資信託を何本持つべきかに、決まった正解はありません。
1本で十分な人もいれば、株式と債券を組み合わせるために2本持つ人もいます。
国内株式、先進国株式、新興国株式などを自分で組み合わせ、複数の商品で運用する方法もあります。
そのため、
「初心者は必ず1本にするべき」
ということではありません。
ただ、広い国や企業へ分散された投資信託を選んでいるなら、最初から無理に本数を増やす必要もないと思います。
例えば、全世界株式に連動するインデックスファンドには、一つの商品でも世界各国の多くの企業が含まれています。
見た目では「投資信託を1本だけ持っている」状態ですが、実際には、その1本を通じて多くの企業へ投資しています。
つまり、
投資信託が1本だから、投資先も一つとは限りません。
分散は「本数」ではなく「中身」で考える
投資信託を増やせば、その分だけ分散できる。
そう考えたくなる気持ちは自然です。私も以前は、1本より2本、2本より3本の方が安心できるように感じていました。
しかし、投資信託の名前が違っていても、投資している企業や地域が重なっていることがあります。
例えば、次の3本を持っていたとします。
- 全世界株式インデックス
- S&P500インデックス
- 米国株式インデックス
商品名はそれぞれ違います。
それでも、中身を確認すると、同じ米国の大型企業が複数の商品に含まれていることがあります。
この場合、投資信託の本数は増えていますが、投資先が同じような方向へ偏る可能性があります。
反対に、全世界株式のように、一つの商品でさまざまな国や企業を含んでいる投資信託もあります。
だからこそ、投資信託を選ぶときは、
- 何本持っているか
- 商品名が違うか
だけではなく、
- どの国へ投資しているか
- どのような企業が含まれているか
- 今持っている商品と重なっていないか
を確認することが大切です。

S&P500と全世界株式を両方持つのはあり?
投資信託の本数について考えるとき、よく出てくるのが、
「S&P500と全世界株式を両方持ってもいいですか?」
という疑問です。
結論としては、両方持つこと自体が間違いというわけではありません。
ただし、全世界株式の中にも米国企業が多く含まれています。
そこへS&P500を追加すると、全世界株式だけを持つ場合より、米国株の比率が高くなります。
そのことを理解したうえで、
「全世界へ分散しながら、米国の比率を少し高めたい」
という目的で組み合わせるなら、考え方としては成り立ちます。
一方で、
「2本持てば、地域の分散がさらに広がると思った」
という場合は、想像していた分散とは違う可能性があります。
大切なのは、両方持ってよいか悪いかではありません。
追加した結果、ポートフォリオがどのように変わるかを理解しているかどうかです。
オルカンとS&P500の違いを詳しく確認したい方は、
S&P500と全世界株式の違いを比較した記事
も参考にしてください。
投資信託の本数を増やす3つのデメリット
複数の投資信託を持つこと自体が悪いわけではありません。
それぞれに明確な役割があり、自分で管理できるのであれば、複数の商品を組み合わせる方法もあります。
ただし、本数を増やすほど判断することも増えていきます。
1.投資先の重複が分かりにくくなる
投資信託の本数が増えると、ポートフォリオ全体として、
- どの国の比率が高いのか
- 同じ企業をどのくらい重複して持っているのか
- 特定の業種に偏っていないか
が見えにくくなることがあります。
「複数持っているから分散できている」と思っていても、実際には似た商品を重ねて持っているだけかもしれません。
2.積立割合やリバランスで迷いやすい
1本であれば、毎月の積立額をその商品へ設定できます。
2本、3本と増えていくと、
- どの商品へいくら積み立てるか
- 比率が変わったときに戻すか
- 下がった商品を買い増すか
- 積立額を変更するとき、どれを減らすか
といった判断が増えます。
考えることが楽しい人には合うかもしれません。
ただ、投資を生活の中で無理なく続けたい場合は、判断する回数が少ない方が続けやすいこともあります。
3.将来の取り崩しで迷うことがある
積立投資は、買うときだけで終わりません。
将来お金を使う段階では、保有している資産を少しずつ売却して取り崩すことになります。
商品が複数ある場合は、
- どの商品から売るか
- どの比率で売るか
- 残す商品と減らす商品をどう決めるか
という判断が出てきます。
将来の取り崩し方まで考えると、主軸となる商品を分かりやすくしておくことには意味があります。
私も複数の商品を組み合わせていました
私が「投資信託は本数より中身」と考えるようになったのは、最初からシンプルな投資だけを続けてきたからではありません。
これまで、日本株の個別株、高配当株、米国ETFなど、さまざまな投資を経験してきました。
米国ETFを中心に運用していた頃は、全世界株式のVTを主軸にしながら、ヘルスケア、生活必需品、高配当株などのETFも組み合わせていました。
当時は、
「VTだけより、もう少し良い組み合わせがあるのではないか」
と考えていたからです。
ヘルスケアを増やした方がよいのか。
生活必需品を増やした方がよいのか。
高配当株も組み合わせた方がよいのか。
新しい情報を見るたびに、少しずつ組み合わせを変えたくなりました。
ところが、商品が増えるほど、安心できたかというと、私の場合はそうではありませんでした。
むしろ、
- 次はどの商品を買うか
- 配当金をどこへ再投資するか
- 崩れた比率をどう戻すか
- 今の組み合わせより良い方法があるのではないか
と考える時間が増えていきました。
今振り返ると、投資信託やETFを増やしたかったというより、
「もっと良い答えがあるのではないか」という不安を減らしたかった
のかもしれません。
しかし、商品を増やしても将来の不確実さがなくなるわけではありません。
私の場合は、投資の組み合わせを細かく考えることよりも、管理をシンプルにし、生活の中で続けやすくすることの方が大切だと感じるようになりました。
そうして現在は、全世界株式の投資信託を主軸にした形へ落ち着いています。
もちろん、これが誰にとっても正解というわけではありません。
複数の商品を管理することが苦にならない人もいますし、自分の考えに沿って資産配分を組みたい人もいます。
ただ、私にとっては、
商品数を増やすより、判断する回数を減らす方が続けやすかった
ということです。
投資信託を増やしたくなるのはなぜ?
投資信託を始めたばかりの頃は、商品を増やしたくなることがあります。
これは、知識が足りないからというより、失敗したくない気持ちが強いからかもしれません。
1本だけでは不安に感じる
一つの商品に決めると、
「選び方を間違えていたらどうしよう」
と不安になることがあります。
複数の商品を持つことで、一つを選ぶ責任を小さくしたように感じられることもあります。
いろいろな商品が魅力的に見える
投資について調べると、
- S&P500は成長が期待できる
- 全世界株式なら広く分散できる
- 高配当株なら配当金を受け取れる
- NASDAQは成長企業が多い
など、さまざまな情報を目にします。
それぞれに特徴があるため、
「全部少しずつ持てば、取りこぼさずに済むのでは」
と思いやすくなります。
最初から完璧な組み合わせを作ろうとする
投資を始めるときは、できるだけ失敗したくありません。
そのため、最初から将来にわたって通用する完璧なポートフォリオを作ろうとすることがあります。
しかし、どの商品が今後最も高いリターンになるかは、事前には分かりません。
完璧な組み合わせを探し続けるより、
自分が理解でき、無理なく持ち続けられる形を選ぶ
方が現実的だと思います。
投資信託は何本までなら管理しやすい?
「それでは、具体的に何本までならよいの?」と思うかもしれません。
本数だけで一律に決めることはできませんが、初心者のうちは、
それぞれの商品を持つ理由を、自分で説明できる本数
にしておくと整理しやすくなります。
| 構成例 | 考え方 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 1本 | 広く分散された投資信託を主軸にする | 1本の中に何が含まれているか |
| 2本 | 異なる役割の商品を組み合わせる | 追加した商品に明確な役割があるか |
| 3本以上 | 自分で資産配分を組み立てる | 重複や比率を管理できるか |
この表は、本数ごとの優劣を示すものではありません。
1本でも中身が偏っている場合がありますし、複数の商品を目的に沿って組み合わせている人もいます。
「何本までなら正解か」ではなく、
- それぞれの役割が分かるか
- 中身の重複を把握できるか
- 積立割合を自分で決められるか
- 今後も管理を続けられるか
で考えてみてください。
商品を増やす前に確認したい4つのこと
新しい投資信託が気になったときは、すぐに追加する前に、次の4つを確認してみてください。
① 今持っている商品と中身が重なっていない?
商品名が違っていても、同じ国や企業が多く含まれていることがあります。
② 追加する目的を説明できる?
「人気だから」ではなく、何を増やしたいのか、何を補いたいのかを考えます。
③ リスクを下げたいのか、リターンを高めたいのか分かっている?
商品を追加する目的によって、選ぶ対象は変わります。株式ファンドを増やすことが、値動きを抑えることにつながるとは限りません。
④ 長く管理し続けられる?
積立割合の調整や将来の取り崩しまで、自分が無理なく管理できるかを確認します。
4つを確認しても追加する理由がはっきりしているなら、複数の商品を持つ選択肢もあります。
反対に、理由がよく分からない場合は、今すぐ増やさなくてもかまいません。
何も追加しないことも、一つの投資判断です。
すでに投資信託を複数持っている場合は?
この記事を読んで、
「すでに何本も買ってしまった」
と不安になる必要はありません。
複数の商品を持っているからといって、すぐに売却して1本へまとめる必要があるとは限りません。
まずは、現在持っている商品を一覧にして、
- どの資産へ投資しているか
- どの国の比率が高いか
- 似た商品がないか
- それぞれを持っている理由は何か
を確認してみましょう。
整理したい場合でも、いきなりすべて売却するのではなく、
- 新規積立を主軸の商品へまとめる
- 既存の商品はそのまま保有する
- 時間をかけて今後の方針を考える
という方法もあります。
焦って動くより、まず中身を把握することが先です。
今日の一歩|候補にしている商品の中身を見てみる
この記事を読んだあとに、すぐ商品を追加したり、売却したりする必要はありません。
今日できることは、今持っている商品や候補にしている商品の中身を、一度確認することです。
今日確認すること
- 投資対象は株式、債券、それとも別の資産か
- どの国や地域への投資が多いか
- 今持っている商品と同じ企業が含まれていないか
- その商品を追加したい理由を一言で説明できるか
確認してみて、
「今持っている商品ですでに十分かもしれない」
と思えたなら、無理に増やさなくても大丈夫です。
よくある質問
投資信託は何本持つのが一般的ですか?
保有本数は人によって異なります。
一般的な本数を基準にするより、自分がそれぞれの投資信託の中身と役割を理解できるかで考える方がよいと思います。
広く分散された投資信託なら、初心者が1本から始める方法もあります。
投資信託を1本だけ持つのは危険ですか?
1本だから危険とは限りません。
一つの投資信託でも、多くの国や企業へ分散している商品があります。
ただし、株式だけに投資するファンドであれば、国や企業が分散されていても、株式市場全体が下がったときには値下がりする可能性があります。
本数だけでなく、何の資産へ投資しているかも確認してください。
オルカン1本でも大丈夫ですか?
オルカンのような全世界株式ファンドは、1本でさまざまな国や企業へ投資できる特徴があります。
そのため、商品数の分散という意味では、無理に別の株式ファンドを追加しなくてもよいと考える人もいます。
ただし、株式を中心とした商品なので、値下がりや元本割れの可能性はあります。
詳しくは、
オルカン1本は危ないのかを整理した記事
をご覧ください。
S&P500とオルカンを両方持つと分散になりますか?
商品は2本になりますが、オルカンの中にも米国企業が多く含まれています。
そのため、両方を持つと米国株の比率を高める組み合わせになります。
米国の比率を高めたいという目的があるなら一つの考え方ですが、地域をさらに広く分散したいという目的とは異なる可能性があります。
投資信託は多いほど安全ですか?
多いほど安全とは限りません。
中身が似ている投資信託を複数持っても、同じ国や企業への投資が増えるだけの場合があります。
本数より、投資対象と資産配分を確認することが大切です。
すでに複数の投資信託を持っています。減らした方がいいですか?
複数持っているという理由だけで、すぐに減らす必要があるとは限りません。
まずは、それぞれの商品を持っている理由と中身の重複を確認してみてください。
整理する場合も、焦って売却せず、新規積立の対象を絞る方法から考えられます。
投資信託の「本数」と「口数」は同じですか?
同じではありません。
本数は、保有している投資信託の商品数を指します。
口数は、それぞれの投資信託をどのくらい保有しているかを表す単位です。
口数が多いほど分散されるという意味ではありません。分散については、口数ではなく、その投資信託が何へ投資しているかを確認します。
投資信託の「本数」と「口数」の違いや、何本あれば分散になるのかを詳しく知りたい方は、
投資信託は何本あれば分散になる?本数・口数・資産配分の違い
もご覧ください。
まとめ|投資信託は本数より中身を見る
投資信託は、多く持てば持つほど安心できるものではありません。
広く分散された投資信託なら、1本でも多くの企業へ投資できます。
一方で、複数の商品を持っていても、中身が重なっていれば、想像していたほど分散になっていないことがあります。
大切なのは、
- 何本持っているか
- 周りの人が何本持っているか
ではありません。
自分が何に投資していて、なぜその商品を持っているのかを理解できていること
です。
私自身、いろいろな商品を組み合わせた経験を経て、今は全世界株式の投資信託を主軸にしています。
商品を増やさなかったからというより、投資以外の生活を優先しながら続けるには、判断することが少ない形の方が自分に合っていたからです。
最初から完璧な組み合わせを作る必要はありません。
まずは、自分が理解できる一つの商品から考える。
必要性を感じたときに、中身と目的を確認して追加する。
それくらいの進め方でもよいのではないかと思います。
次の疑問:「選んだ商品で本当に大丈夫?」
投資信託の本数を整理できたら、次は選んだ商品の中身やリスクを確認してみましょう。
※本記事は、筆者個人の経験や考え方をもとに、投資信託の保有本数について初心者向けに整理したものです。特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。
投資信託には価格変動などのリスクがあり、元本割れの可能性があります。商品の投資対象、手数料、リスクなどを確認し、最終的な投資判断はご自身の目的や家計状況を踏まえて行ってください。
