投資信託は何本あれば分散になる?本数・口数・資産配分の違いを解説

投資信託を選んでいると、
「何本くらい持てば分散になるのだろう」
と気になることがあります。

「オルカン1本では少ない?」
「S&P500も持った方がいい?」
「商品を増やせば、もっと安心できるのかな?」

私も以前は、商品を増やすほど、
いろいろな投資先に分けられるように感じていました。

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でも、投資信託の分散を考えるとき、
本数や口数だけでは分からないことがあります。

先に結論を書くと、確認したいのは次の3つです。

  • その投資信託は、何に投資しているか
  • 複数持っている場合、投資先がどのくらい重なっているか
  • 家計全体で、株式・債券・現金などをどう持っているか

この記事では、「本数」「口数」「資産配分」の違いを整理しながら、
投資信託の中身をどう確認すればよいか考えていきます。

投資信託の「本数」と「口数」は違う

まず、似ているようで意味が違う言葉を整理します。

言葉 意味 例
本数 保有している投資信託の商品数 オルカンとS&P500を持つなら2本
口数 一つの投資信託をどれくらい保有しているかを表す単位 同じ商品を買い増すと、通常は保有口数が増える

例えば、オルカンを毎月買い増したとします。

保有口数は増えていきますが、
持っている投資信託は、引き続きオルカン1本です。

買い増した分だけ投資金額は増えます。
ただし、口数が増えたこと自体で、
新しい国や企業へ投資するようになるわけではありません。

口数は保有量を表すものであり、分散の広さを表すものではありません。

また、投資信託は商品によって基準価額が異なります。
別の商品同士を、口数の多さだけで比較することにも意味はありません。

投資信託は1本でも、多くの企業に分散できる

投資信託の特徴の一つは、
一つの商品を通して複数の銘柄へ投資できることです。

例えば、全世界株式のインデックスファンドなら、
世界各国の多くの企業の株式へまとめて投資できます。

証券口座に表示される商品は1本でも、
その中には数多くの企業が含まれています。

一方で、投資信託なら何でも幅広く分散されているわけではありません。

特定の国だけに投資する商品もあれば、
特定の業種や少数の銘柄に投資する商品もあります。

そのため、
「投資信託を1本持っている」という情報だけでは、分散の程度は判断できません。

まずは、その商品がどこへ投資しているのかを確認することが大切です。

複数持っていても、投資先が重なることがある

では、投資信託を2本、3本と増やせば、
分散はもっと広がるのでしょうか。

必ずしもそうとは限りません。

分かりやすい例が、
全世界株式とS&P500の組み合わせです。

全世界株式の中にも米国企業が含まれています。
そのため、S&P500を追加すると、
両方の商品に含まれる米国企業への投資が重なります。

この組み合わせは、
「全世界株式に加えて米国株の比率を高めたい」
という目的なら、考え方として理解できます。

ただ、
「2本に分ければ、投資する地域がもっと広がる」
と思って追加するなら、少し違います。

商品名が違うことと、投資先が違うことは同じではありません。

複数の商品を持つ場合は、
それぞれの投資対象を確認してみます。

分散には「国・企業」と「資産の種類」がある

ここが、私自身も整理しておきたいと思った部分です。

「分散投資」という言葉は一つですが、
何を分散しているかによって意味が違います。

分散の種類 考え方 例
国・地域の分散 特定の国だけに投資先を集中させない 日本、米国、欧州、新興国など
企業・業種の分散 特定の企業や業種だけに集中させない 多くの企業や業種を含む株式ファンド
資産の分散 値動きや役割の異なる資産を組み合わせる 株式、債券、現金など

例えば、オルカン1本なら、
多くの国や企業の株式へ分散できます。

ただし、投資対象は基本的に株式です。

世界中の株式市場が大きく下がれば、
オルカンも大きく値下がりする可能性があります。


多くの国や企業に分散していることと、
株式以外の資産にも分散していることは別です。

「オルカン1本で分散できる」と聞いたときは、
何について分散できているのかまで考えると、
商品の特徴を理解しやすくなります。

値動きを抑えたいなら、本数より資産配分を考える

投資信託を増やしたくなる理由が、
「値下がりが怖いから」という場合もあります。

ただ、株式ファンドを何本も増やしても、
株式市場全体が下がる影響を避けられるわけではありません。

そのようなときは、
商品を増やす前に、
株式へどれくらいのお金を投資しているかを確認してみます。

例えば、家計全体では、
生活費や近いうちに使うお金を現金で確保し、
長期間使う予定のないお金を株式へ投資している場合もあります。

一方、投資するお金の値動き自体を抑えたいなら、
債券などを組み合わせる方法もあります。

ただし、債券にも価格変動などのリスクがあります。
現金と債券も、同じ役割ではありません。


「投資信託を何本にするか」より先に、
「自分のお金をどの資産に、どれくらい配分するか」を考える。

私は、その順番の方が分かりやすいと思っています。

家計全体から資産配分を考えたい方は、
初心者向けポートフォリオの考え方|全世界株式1本でも大丈夫?
も参考にしてみてください。

商品を増やすほど、管理することも増えていく

分散のために商品を増やしたつもりでも、
気がつけば、保有している商品が何本も増えていた。

そんなこともあるかもしれません。

S&P500やNASDAQ、高配当株などを分散のつもりで買い増した初心者が、保有商品が増えて管理に迷う4コマ漫画

商品が増えると、
それぞれの積立額や保有割合を考える機会も増えます。

値動きによって割合が変わったとき、
元に戻すのか、そのままにするのか。

新しい商品が気になったとき、
さらに追加するのか、今のままにするのか。

複数の商品を持つこと自体が問題なのではありません。
ただ、管理できるかどうかも、商品を選ぶときの大切な条件だと思っています。

私が商品を増やしていた頃に、見落としていたこと

以前の私は、全世界株式のETFであるVTを中心に、
ヘルスケアや生活必需品、高配当株のETFなども組み合わせていました。

それぞれの商品を調べるのは面白かったですし、
自分で投資先を選んでいる実感もありました。

ただ、今振り返ると、
商品を追加することに意識が向きすぎていた時期もあったと思います。

「このETFも良さそう」
「こちらの業種も持っておいた方がいいかな」

そんなふうに商品を増やしても、
自分の資産全体で何がどれくらい増えたのかを、
毎回きちんと整理できていたわけではありません。

例えば、全世界株式を主軸にしていても、
特定の業種のETFを追加すれば、
その業種への投資割合は高くなります。

商品数は増えていても、
必ずしも自分が思っていた方向に分散しているとは限りません。

今は、
商品を増やす前に、追加したあとの資産全体がどう変わるのか
を考えるようにしています。

その結果、私の場合は、
全世界株式の投資信託を主軸にするシンプルな形が、
管理しやすいと感じています。

これは複数の商品を持つことが悪いという話ではありません。
自分で資産配分を考え、管理する方法が合う人もいると思います。

大切なのは、
自分が何を、どのくらい持っているかを理解できることだと考えています。

今持っている投資信託の分散を確認する3つのポイント

分散できているか気になったら、
まずは今持っている商品の中身を確認してみます。

① どの国・企業・業種へ投資しているか

商品ページや目論見書などで、
投資対象や主な組入銘柄を確認します。

複数の商品を持っている場合は、
同じ国や企業、業種への投資が重なっていないかも見てみます。

② 株式・債券など、どの資産を持っているか

国や企業が分散されていても、
株式中心の運用なら、株式市場の値動きを受けます。

株式以外の資産を持つ必要があるかどうかは、
投資期間や家計、値下がりへの向き合い方によって変わります。

③ 家計全体でどのくらいの割合になっているか

証券口座の中だけでなく、
生活に必要な現金や近いうちに使うお金も含めて考えます。

投資信託を1本持っている人でも、
家計全体では現金と株式を組み合わせている場合があります。

反対に、投資信託を何本も持っていても、
そのほとんどが株式なら、
家計全体で株式の値動きを大きく受ける可能性があります。

商品数ではなく、家計全体で何をどれくらい持っているか。

ここまで見ると、自分の分散の形が少し分かりやすくなります。

今日の一歩|商品名ではなく、投資先を書き出してみる

今日できるのは、
現在持っている投資信託について、
商品名と投資先を簡単に書き出すことです。

商品A:全世界株式
投資先:世界各国の株式
役割:長期積立の主軸

商品B:S&P500
投資先:米国の大型株
役割:米国株の比率を高める

こうして並べると、
2本の投資先が一部重なっていることや、
株式以外の資産を持っていないことに気づくかもしれません。

だからといって、
すぐに売買する必要はありません。

まずは、
自分が何に投資しているのかを知ること
から始めてみます。

よくある質問

投資信託は何本あれば分散になりますか?

本数だけでは判断できません。
1本でも多くの国や企業へ投資できる商品があります。
一方、複数の商品を持っていても、投資先が重なっていることがあります。

商品の投資対象と、資産全体の配分を確認することが大切です。

投資信託の口数が多い方が分散できますか?

口数は保有量を表す単位です。
口数が増えたこと自体で、投資先の範囲が広がるわけではありません。

オルカン1本なら、株式と債券の両方に分散できますか?

一般に「オルカン」と呼ばれるeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、
世界各国の株式を投資対象とする商品です。
株式と債券を組み合わせたバランスファンドではありません。

オルカンとS&P500を両方持つと分散が広がりますか?

両方に含まれる米国企業への投資が重なります。
S&P500を追加することで米国株の比率を高めることはできますが、
単純に投資地域が広がるわけではありません。

値下がりが怖い場合、投資信託を増やせばいいですか?

株式ファンドの本数を増やすだけでは、
株式市場全体の下落リスクを避けられません。

生活に必要な現金を確保できているか、
投資額が家計に合っているか、
株式以外の資産を組み合わせる目的があるかを整理してみます。

まとめ|分散は本数や口数ではなく、中身と資産配分で考える

投資信託は、何本・何口持っているかだけでは、
分散できているか判断できません。

1本でも、多くの国や企業へ投資できる商品があります。
複数の商品を持っていても、投資先が重なることがあります。

そして、国や企業に広く分散していても、
株式中心の運用であることは変わりません。

私は以前、商品を増やすことに意識が向いていました。
でも今は、
商品を追加すると、資産全体がどう変わるのか
を先に考えるようにしています。

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「何本あれば安心か」を探すより、
今持っている商品が何に投資しているのかを確認する。

そのうえで、自分の目的や家計に合った資産配分を考える。

私は、その順番を大切にしています。

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※本記事は筆者個人の経験や考え方をもとにしたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資信託には価格変動などのリスクがあり、元本割れの可能性があります。投資判断は、ご自身の目的や家計状況を踏まえて行ってください。

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