新NISAの積立設定画面まで進んだものの、 「毎月いくらにすればいいの?」 と手が止まってしまうことがあります。
SNSやYouTubeを見ると、 「毎月3万円」 「月5万円」 「年間投資枠をできるだけ使う」 といった数字が目に入ります。
すると、
「5,000円では少なすぎるのかな」
「もっと積み立てないと意味がないのでは」
「年間360万円の枠を使い切った方がいいの?」
と焦ってしまうかもしれません。
でも、積立額は他の人と比べて決めるものではありません。
先に結論を書くと、新NISAの積立額は、年間投資枠ではなく、自分の家計から決めるのが基本です。
生活費や近いうちに使うお金を残したうえで、今の暮らしに無理のない金額を考えます。
最初は月5,000円でも、1万円でもかまいません。 一度決めた金額を、ずっと変えずに続ける必要もありません。
この記事で分かること
- 新NISAの積立額に一律の正解がない理由
- 家計から毎月の積立額を決める5STEP
- 月5,000円や1万円から始めてもよい理由
- 積立額を増やす・減らすタイミング
新NISAはいくら積み立てる?結論は「生活に無理のない金額」
新NISAの積立額には、誰にでも当てはまる正解はありません。
収入が同じでも、
- 家族構成
- 住居費
- 教育費
- 車の有無
- 今後予定している大きな支出
- すでに持っている貯蓄額
によって、投資に回せる金額は変わります。
たとえば、同じ手取り25万円でも、一人暮らしの人と、子育て中で住宅ローンを返している家庭では、毎月残せる金額が同じとは限りません。
そのため、 「年収○万円なら月○万円」 という表だけで積立額を決めるのは難しいと考えています。
平均額や他の人の設定額は、参考にはなります。 ただし、その数字をそのまま自分の家計へ当てはめる必要はありません。
積立額を決める基準は、NISAの上限や他人の金額ではなく、自分の生活です。
NISAの年間投資枠を使い切る必要はない
新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて、年間最大360万円まで投資できます。
ただし、これは投資しなければならない金額ではなく、制度上利用できる上限です。
年間360万円という数字から逆算すると、月30万円です。 多くの家庭にとって、生活費や貯蓄とのバランスを保ちながら毎月積み立てるのは簡単ではありません。
枠を使い切らなかったからといって、新NISAを利用する意味がなくなるわけでもありません。
毎月5,000円なら年間6万円。
毎月1万円なら年間12万円。
毎月3万円なら年間36万円です。
どの金額であっても、生活に無理がなく、自分が納得して設定しているのであれば、その人にとってのスタートになります。
投資枠に家計を合わせるのではなく、家計にNISAを合わせることが大切です。
初心者向け|毎月の積立額を決める5STEP
積立額を決めるときは、最初から「いくら投資するか」を考えるのではなく、生活に必要なお金から順番に整理していきます。
STEP1 毎月の生活費を確認する
最初に確認するのは、投資額ではなく、毎月の生活費です。
- 住居費
- 食費・日用品
- 水道光熱費
- 通信費
- 保険料
- 教育費
- 車にかかる費用
細かく家計簿をつけていなくても、まずは毎月どのくらいのお金が出ていくのかを確認してみます。
ここを確認しないまま積立額を先に決めると、給料日前に生活費が足りなくなり、貯金を取り崩すことになりかねません。
STEP2 近いうちに使う予定のお金を分ける
毎月の生活費とは別に、数年以内に使う予定のお金も投資資金から分けておきます。
たとえば、
- 子どもの入学費用
- 車の購入・車検費用
- 住宅の修繕費
- 家電の買い替え
- 旅行や帰省
- 税金や保険料などの年払い
といった支出です。
株式や投資信託は、必要になったときに値下がりしている可能性があります。
近いうちに使うことが分かっているお金は、預貯金など、すぐに使える形で確保しておく方が安心です。
STEP3 生活防衛資金を確認する
急な病気や収入減少、家電の故障など、予定していない出来事に備えるお金も必要です。
必要な金額は、働き方や家族構成によって変わります。
私は、少なくとも生活費の半年分を現金で持つことを一つの目安にしています。
ただし、自営業で収入の変動が大きい場合や、扶養する家族が多い場合は、さらに多めに必要になることもあります。
まだ十分に準備できていない場合は、投資と現金の貯蓄を同時に進めたり、生活防衛資金を優先したりしてもかまいません。
生活防衛資金について詳しく考えたい方は、次の記事で整理しています。
STEP4 毎月安定して残るお金を確認する
生活費、近いうちに使うお金、生活防衛資金を確認したあとに、毎月どのくらい残るかを見ます。
ここで大切なのは、たまたま今月だけ残った金額ではなく、毎月ある程度安定して残せる金額を見ることです。
たとえば毎月3万円ほど残るとしても、そのすべてを投資へ回す必要はありません。
急な出費や、少し自由に使えるお金も残しておいた方が、生活に余白を持ちやすくなります。
そもそも投資へ回せるお金を作るところから考えたい場合は、こちらの記事も参考にしてください。
STEP5 残ったお金の中から、続けられる金額を決める
最後に、毎月安定して残るお金の中から、積立額を決めます。
迷ったときは、残る金額のすべてを投資に回すのではなく、少し余裕を残して設定する方が始めやすいと思います。
たとえば、
- まずは月5,000円で始める
- 3か月ほど家計への影響を見る
- 問題がなければ月1万円へ増やす
- 負担を感じたら、そのままか減額する
という進め方でもかまいません。
最初から完璧な金額を決めるのではなく、いったん設定し、生活しながら調整すると考えると、少し決めやすくなります。
積立額を決める順番
- 生活費を確保する
- 近いうちに使うお金を分ける
- 生活防衛資金を確認する
- 毎月安定して残るお金を見る
- 余裕を残して積立額を決める
毎月5,000円では少なすぎる?
毎月5,000円と聞くと、 「それだけでは意味がないのでは」 と感じるかもしれません。
しかし、積立額が少ないからといって、始める意味がなくなるわけではありません。
月5,000円なら、1年間の元本は6万円です。
10年間続ければ、運用結果を含めなくても元本は60万円になります。
もちろん、投資には値下がりがあり、将来の利益は保証されません。
それでも、少額から始めることで、
- 積立設定の仕組みに慣れる
- 値動きがある感覚を知る
- 家計への影響を確認できる
- 無理なく続けられる金額を探せる
という経験ができます。
月1万円の積立について詳しく知りたい方は、こちらの記事でもシミュレーションを交えて解説しています。
私が最初に自動で積み立てた金額は月5,000円でした
私自身、最初に自動で積み立てた金額は、iDeCoの月5,000円でした。
それ以前にも個別株へ投資していましたが、毎月決まった金額を自動で積み立てる仕組みを利用したのは、iDeCoが最初だったと思います。
当時は、将来いくらになるかを細かく計算して始めたわけではありません。
「まずはこのくらいなら続けられそう」 という感覚で設定しました。
始めたばかりのころは、少し増えた、少し減ったと、評価額をよく見ていました。
ところが、そのうちログインする回数も減り、ほとんど確認しなくなりました。
久しぶりに口座を見たとき、評価額が100万円を超えていました。
もちろん、これは月5,000円を積み立てれば必ず同じ結果になる、という話ではありません。 運用期間や商品の値動きによって結果は変わります。
それでも私にとっては、 「少額でも、時間をかければ積み上がっていくことがある」 と実感した経験でした。
最初から大きな金額にしなくても、まず仕組みを作り、家計に合わせて続けていく。
今振り返ると、その始め方は自分に合っていたのだと思います。
積立額は家族構成や生活の変化によって変わる
私は独身のころと、結婚して子どもが生まれたあとでは、投資に回せる金額が大きく変わりました。
独身のころは、自分の生活費を確保したあと、比較的多くのお金を貯蓄や投資へ回せる時期もありました。
しかし、結婚して子どもが生まれると、
- 日々の生活費
- 保育や教育にかかるお金
- 家族で出かける費用
- 将来の進学に備えるお金
など、優先したい支出も増えます。
投資額を維持することより、生活を守ることを優先しなければならない時期もあります。
反対に、収入が増えたり、子育てや住宅ローンの負担が軽くなったりすれば、積立額を増やせるかもしれません。
この経験から、積立額は一度決めたら固定するものではなく、その時点の暮らしに合わせて調整するものだと考えるようになりました。
積立額はあとから増額・減額・一時停止してもいい
積立額を決められない理由の一つに、 「一度設定したら変えられないのでは」 という不安があるかもしれません。
しかし、多くの金融機関では、積立額をあとから変更できます。
家計に余裕が出たら増額する。
教育費などの負担が増えたら減額する。
生活が苦しい時期は、一時的に積立を止める。
こうした調整をしても、失敗ではありません。
むしろ、投資を優先しすぎて生活費が足りなくなるより、早めに金額を見直す方が自然です。
積立額を増やしやすいタイミング
- 昇給や転職で手取りが増えた
- 固定費を見直して毎月の支出が減った
- 生活防衛資金が目標額まで貯まった
- 車や住宅などのローン返済が終わった
- 大きな支出の予定が一段落した
増額するときも、相場が上がったからではなく、家計の余裕が増えたことを基準にします。
積立額を減らすことを考えてよいタイミング
- 生活費が増えて毎月の家計が苦しくなった
- 収入が減った
- 教育費や住宅費の負担が増えた
- 近いうちに大きな支出がある
- 生活防衛資金を取り崩した
積立額を減らすことは、投資を諦めることではありません。
生活が落ち着いたあとに、また増やすこともできます。
守る順番は、生活、近いうちに使うお金、生活防衛資金、投資です。
積立額を無理に増やさない方がよい理由
無理な積立額にすると、毎月の生活が苦しくなるだけではありません。
投資へ回しすぎて現金が少なくなると、急な出費があったときに、値下がりしている投資商品を売らなければならない可能性があります。
また、家計に余裕がない状態では、相場が下がったときの不安も大きくなりやすいです。
「このまま下がったら生活費までなくなるのでは」 と感じると、積立を止めたり、慌てて売ったりしたくなることもあります。
投資の値動きだけでも不安になることがあります。 そこに生活費の不安まで重なると、落ち着いて続けるのは難しくなります。
だからこそ、投資額をできるだけ大きくすることより、値下がりしても生活に影響しにくい金額にすることを優先します。
迷ったら、ここまでできていれば大丈夫です
- 毎月の生活費を確認した
- 近いうちに使うお金を投資資金から分けた
- 生活防衛資金の状況を確認した
- 毎月安定して残る金額を確認した
- 生活に余裕を残した積立額を考えた
ここまで確認できていれば、最初から完璧な金額を決める必要はありません。
月5,000円でも、1万円でも、今の家計で無理なく続けられそうな金額を一度設定してみます。
数か月生活してみて、 「もう少し増やせそう」 「少し負担に感じる」 と思ったら、そのときに調整すれば大丈夫です。
今日の一歩|今の家計で続けられそうな金額を書き出す
今日すぐに積立設定を完了しなくてもかまいません。
まずは、次の3つを書き出してみます。
- 毎月安定して残るお金
- 現金として残しておきたいお金
- その差額から無理なく積み立てられそうな金額
たとえば、毎月2万円残るとしても、2万円すべてを投資する必要はありません。
1万円を現金として残し、5,000円を積み立て、残り5,000円を自由に使える余白にする方法もあります。
大切なのは、数字を大きく見せることではなく、自分が安心して続けられる形を見つけることです。
よくある質問
新NISAは月5,000円でも意味がありますか?
月5,000円でも、積立を始める意味はあります。
少額から始めることで、積立の仕組みや値動きに慣れながら、家計への負担を確認できます。
ただし、投資には元本割れの可能性があり、続ければ必ず増えるわけではありません。
毎月1万円が最低ラインですか?
毎月1万円を最低ラインとして考える必要はありません。
金融機関や商品によって最低積立額は異なりますが、積立額そのものは、家計に合わせて決めます。
1万円が負担になる場合は、より少ない金額から始めてもかまいません。
NISAの年間360万円の枠は使い切った方がいいですか?
無理に使い切る必要はありません。
年間360万円は、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて利用できる上限です。
生活費や近いうちに使うお金、生活防衛資金を確保したうえで、家計に余裕がある範囲で利用します。
積立額は途中で変更できますか?
多くの金融機関では、積立額をあとから変更できます。
変更内容が反映される時期や締切日は金融機関によって異なるため、利用している証券会社の案内を確認してください。
ボーナスが入ったら積立額を増やすべきですか?
ボーナスが入ったからといって、必ず投資額を増やす必要はありません。
近いうちに使う予定のお金や生活防衛資金が不足している場合は、そちらを優先する考え方もあります。
毎月の家計とは別に投資へ回せる余裕があり、投資目的やリスクを理解したうえで納得できる場合に検討します。
まとめ|積立額は年間投資枠ではなく、自分の家計から決める
新NISAの積立額に、誰にでも当てはまる正解はありません。
平均額やSNSで見かける金額、NISAの年間投資枠から決めるのではなく、次の順番で考えます。
- 毎月の生活費を確認する
- 近いうちに使うお金を分ける
- 生活防衛資金を確認する
- 毎月安定して残るお金を見る
- 余裕を残して積立額を決める
最初は月5,000円でも、1万円でもかまいません。
家計に余裕ができたら増やす。
負担が増えたら減らす。
生活が苦しいときは一時停止する。
積立額は、生活の変化に合わせて動かしていいものです。
投資を優先して生活を苦しくするのではなく、生活を守ったうえで、無理なく続けられる金額を考えてみてください。
※本記事は、筆者個人の経験や考え方をもとに、積立額を考える順番を整理したものです。特定の金融商品や投資方法を推奨するものではありません。
投資には価格変動リスクがあり、元本割れの可能性があります。家計状況、投資目的、投資期間、商品のリスクや手数料などを確認し、最終的な判断はご自身で行ってください。

