🌳 STEP3「何を買えばいい?」の記事です
この記事では、投資信託の「本数」「口数」と分散の関係を整理します。
商品選びを最初から確認したい方は、
投資信託の選び方ガイド
をご覧ください。
投資信託を始めると、こんな疑問を持つことがあります。
「何本くらい持てば分散になるの?」
「口数は多い方がいいの?」
「1本だけでは、分散が足りないのでは?」
私も以前は、投資信託やETFの数を増やした方が、しっかり分散できるように感じていました。
商品が1本だけより、3本、5本と並んでいる方が、いろいろな投資先へ分けているように見えたからです。
ですが、投資信託の分散は、単純な本数や口数だけでは判断できません。
先に結論を書くと、
投資信託が何本あるかより、それぞれの商品が何に投資しているかを見ることが大切です。
1本でも多くの国や企業へ投資している商品があります。
反対に、複数の商品を持っていても、中身が似ていれば、同じ国や企業へ重複して投資していることがあります。

この記事の結論
- 投資信託の本数が多いほど分散できるとは限らない
- 口数が多いほど分散できるわけでもない
- 1本でも多くの国や企業へ分散された商品がある
- 複数持つ場合は、商品の中身と重複を確認する
- 値動きを抑えたい場合は、本数より資産配分を考える
投資信託は何本あれば分散になる?
投資信託は、何本持てば分散になるのでしょうか。
結論として、1本、2本、3本といった本数だけでは、分散できているかを判断できません。
なぜなら、同じ1本でも、商品の中身が大きく違うからです。
例えば、次のような投資信託があります。
- 一つの企業や業種へ集中する投資信託
- 日本企業だけに投資する投資信託
- 米国の代表的な企業へ投資する投資信託
- 世界各国の多くの企業へ投資する投資信託
どれも投資信託という一つの商品ですが、投資先の広さは同じではありません。
そのため、
投資信託を1本持っている=投資先が一つ
という意味ではありません。
一つの商品を通して、数百社、数千社といった多くの企業へ投資している場合もあります。
反対に、投資信託を3本持っていても、3本とも似た国や企業を中心にしていれば、投資先の重複が多くなります。
投資信託の「本数」と「口数」は違う
検索していると、
「投資信託は口数が多い方がいいの?」
という疑問を持つこともあります。
まず、本数と口数は別のものです。
| 言葉 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 本数 | 保有している投資信託の商品数 | オルカンとS&P500なら2本 |
| 口数 | 一つの投資信託をどのくらい保有しているかを表す単位 | 同じ商品を買い増すと口数が増える |
口数が増えるのは、その投資信託を追加購入した結果です。
口数が増えたからといって、投資先の国や企業が新しく増えるとは限りません。
同じ投資信託を買い増せば、その商品の運用方針に沿った投資先への金額が増えます。
つまり、
口数は保有量を表すものであり、分散の広さを表すものではありません。
投資信託の口数は、商品によって基準価額などが異なるため、別の商品同士で単純に口数だけを比較するものでもありません。
1本でも分散できる投資信託がある
投資信託の中には、一つの商品を通して幅広い地域や企業へ投資できるものがあります。
例えば、全世界株式に連動するインデックスファンドでは、先進国から新興国まで、世界各国の企業を投資対象にしています。
保有している商品は1本でも、その中には多くの国、業種、企業が含まれています。
この場合、見た目の本数は1本ですが、個別企業への分散は広くなっています。
ただし、ここで注意したいこともあります。
全世界株式は、国や企業には広く分散されていますが、投資対象の中心は株式です。
株式市場全体が下落すると、全世界株式の投資信託も値下がりする可能性があります。
そのため、
- 国や地域の分散
- 企業の分散
- 資産の分散
は、分けて考える必要があります。
1本で多くの国や企業へ投資できても、株式と債券へ分けているとは限りません。
オルカン1本でどこまで分散できるのかを詳しく確認したい方は、
オルカン1本は危ない?全世界株式だけの投資を考える
もご覧ください。
複数持っても分散にならない場合がある
投資信託の本数を増やせば、見た目では投資先を分けているように感じます。
しかし、複数の商品に同じ企業が含まれていることがあります。
例えば、
- 全世界株式インデックス
- S&P500インデックス
- 米国株式インデックス
の3本を持ったとします。
商品名は違いますが、いずれにも米国の大型企業が含まれている可能性があります。
この場合、3本に分けたからといって、3倍広く分散できるわけではありません。
むしろ、全世界株式だけを持つ場合より、米国株の比率が高くなることがあります。
そのことを理解したうえで、
「米国株の比率を高めたい」
という目的で組み合わせるなら、一つの考え方です。
しかし、
「本数を増やせば、地域の分散が広がると思った」
という場合は、想像していた結果とは違うかもしれません。

分散を考えるときに見る3つのポイント
何本、何口持てばよいかを考える前に、次の3つを確認してみてください。
1.どの国や地域へ投資しているか
日本だけなのか、米国だけなのか、先進国なのか、世界全体なのかを確認します。
複数の商品を持っていても、すべて米国を中心とした商品なら、地域の分散は米国寄りになります。
2.どの企業や業種が含まれているか
同じ指数や似た指数に連動する商品には、同じ企業が含まれていることがあります。
上位の組入銘柄や業種構成を見ると、商品の重複に気づきやすくなります。
3.株式以外の資産を含んでいるか
株式ファンドを複数持つことと、株式と債券へ分けることは同じではありません。
値動きを抑えることが目的なら、株式ファンドの本数を増やすよりも、
- 現金をどのくらい残すか
- 債券を組み合わせるか
- 投資に回す金額を減らすか
などを考えた方が、目的に合う場合があります。
ただし、資産配分には一つの正解があるわけではありません。
自分の投資期間、家計、値下がりへの感じ方などを踏まえて考える必要があります。
何本持つかと、どう分散するかは別の疑問
似ているようですが、
- 投資信託を何本持つか
- どのように分散するか
は少し違う疑問です。
| 疑問 | 確認すること | 次に読む記事 |
|---|---|---|
| 投資信託は何本持つべき? | 管理しやすさ、商品の役割、重複 |
投資信託は何本持つべき? |
| 何本あれば分散になる? | 国、企業、業種、資産の中身 | この記事 |
| 分散投資とは何? | 分散の基本、目的、注意点 |
分散投資の基本を確認する |
投資信託の本数そのものを詳しく考えたい方は、次の記事で整理しています。
投資信託を何本持つか迷っている方へ
私も本数を増やせば安心できると思っていました
私自身も、以前は複数の投資商品を組み合わせていました。
全世界株式のETFを中心にしながら、ヘルスケア、生活必需品、高配当株などのETFを追加していた時期もあります。
少しでもよい組み合わせにできれば、将来への不安を減らせるように感じていたからです。
ですが、商品が増えると、
- どの商品へ追加投資するか
- 配当金をどこへ再投資するか
- 比率が変わったときにどう戻すか
といった判断も増えていきました。
私の場合、商品を増やしたことで、必ずしも安心が増えたわけではありません。
むしろ、ポートフォリオについて考える時間が増えました。
今は、本数を増やすことよりも、
自分が何に投資しているのかを理解し、生活の中で無理なく管理できること
を大切にしています。
複数の商品を持つことが悪いわけではありません。
ただ、分散する目的と、商品を増やす目的は分けて考えた方がよいと感じています。
投資信託を追加する前の確認リスト
分散のために新しい投資信託を追加したくなったら、次の項目を確認してみてください。
- 今持っている投資信託は、どの国へ投資している?
- 追加する商品と、組入企業が重なっていない?
- 株式ファンドを増やすだけになっていない?
- 追加することで、どのような分散を増やしたい?
- 毎月の積立割合を自分で決められる?
- 将来も無理なく管理できそう?
追加する理由を説明できるのであれば、複数の商品を組み合わせる方法もあります。
理由がはっきりしない場合は、今すぐ増やさなくてもかまいません。
商品を追加しないことも、自分の投資方針を守る一つの判断です。
すでに何本も持っている場合はどうする?
すでに複数の投資信託を持っている場合も、慌てて売却する必要はありません。
まずは、それぞれの商品について、
- 投資対象
- 国や地域
- 主な組入銘柄
- 自分が持っている理由
を確認してみましょう。
同じような商品が複数あったとしても、すぐに整理しなければならないとは限りません。
今後の積立先を主軸の商品へ絞り、既存の商品はそのまま保有する方法もあります。
売却する場合は、課税口座かNISA口座か、利益が出ているか、非課税保有限度額がどう扱われるかなども関係します。
「本数が多い」と気づいたことだけを理由に急いで動くのではなく、まず今の状態を把握することが先です。
今日の一歩|商品の本数ではなく投資先を書き出す
この記事を読んだあとに、新しい商品を買ったり、今持っている商品を売ったりする必要はありません。
今日できるのは、現在持っている投資信託について、
- 商品名
- 投資対象
- 主な国や地域
- 株式か債券か
- その商品を持っている理由
を簡単に書き出すことです。
例えば、
商品A
世界の株式へ投資する、長期積立の主軸
商品B
米国株の比率を高めるために追加
というように、一言で役割を書いてみます。
役割が説明できない商品があれば、
「なぜ持っているのだろう」
と考えるきっかけになります。
よくある質問
投資信託は何本あれば分散になりますか?
本数だけでは判断できません。
1本でも多くの国や企業へ投資している商品があります。一方、複数持っていても、投資先が似ていれば重複が多くなることがあります。
商品の本数ではなく、投資対象、国、企業、資産の種類を確認することが大切です。
投資信託は1本では分散不足ですか?
1本だから分散不足とは限りません。
全世界株式など、一つの商品で多くの企業へ投資できる投資信託もあります。
ただし、株式中心の商品であれば、株式市場全体が下がったときには値下がりする可能性があります。
投資信託は口数が多い方がいいですか?
口数が多いほど分散できるというわけではありません。
口数は、その投資信託をどのくらい保有しているかを表す単位です。同じ商品を買い増すと口数は増えますが、投資対象が新しく増えるとは限りません。
複数の投資信託を買えばリスクは下がりますか?
必ずしも下がるとは限りません。
似た株式ファンドを複数持っても、中身が重複していれば、値動きも似ることがあります。
値動きを抑えたい場合は、株式ファンドの本数だけでなく、現金や債券を含めた資産配分を考える必要があります。
S&P500とオルカンを両方持てば分散になりますか?
商品数は2本になりますが、オルカンの中にも米国企業が多く含まれています。
そのため、S&P500を追加すると、米国株の比率を高める組み合わせになります。
その目的を理解して組み合わせることが大切です。
投資信託の本数と銘柄数は同じですか?
同じではありません。
投資信託の本数は保有している商品の数です。銘柄数は、その投資信託の中に含まれている株式や債券などの数を指す場合があります。
投資信託1本の中に、多くの銘柄が含まれていることもあります。
すでに投資信託を増やしすぎた場合はどうすればいいですか?
すぐに売却する必要があるとは限りません。
まずは各商品の投資先と役割を確認し、今後の新規積立先を絞る方法から考えられます。
売却する場合は、口座の種類や税金、NISAの非課税保有限度額の扱いなどを確認してから判断してください。
まとめ|分散は本数や口数ではなく中身で決まる
投資信託は、何本、何口持っているかだけでは、分散できているか判断できません。
1本でも、多くの国や企業へ投資している商品があります。
反対に、複数の商品を持っていても、同じ企業や地域が重複していることがあります。
分散を考えるときに見るのは、
- 投資信託の本数
- 保有している口数
だけではありません。
- どの国へ投資しているか
- どの企業や業種が含まれているか
- 株式以外の資産を含んでいるか
- ポートフォリオ全体がどうなっているか
を見ることが大切です。

私自身も、商品を増やせば、よりよいポートフォリオになるように感じていた時期がありました。
ですが、増やすほど安心できるとは限りませんでした。
最終的には、自分が何に投資しているか理解でき、生活の中で無理なく続けられることの方が大切だと感じています。
何本持つかを決める前に、まず中身を見る。
それだけでも、商品選びの迷いは少し整理しやすくなると思います。
分散投資の基本から確認したい方へ
商品選び全体を整理したい方へ
※本記事は、筆者個人の経験や考え方をもとに、投資信託の本数・口数と分散の関係を初心者向けに整理したものです。特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。
投資信託には価格変動などのリスクがあり、元本割れの可能性があります。商品の投資対象、手数料、リスクなどを確認し、最終的な投資判断はご自身の目的や家計状況を踏まえて行ってください。

